口臭ケアに効果的な歯間ブラシとフロスの使い方とおすすめの選び方
自分ではなかなか気づけない口臭、実は気になっているという方は多いですよね。歯磨きのみでは不足しがちな口腔ケアに、歯間ブラシとフロスをおすすめします。口臭対策にも有効な、歯間ブラシとフロスの正しい使い方と、おすすめの選び方をご紹介します。
2019年06月02日更新
記事の目次
[1]お口のニオイ対策 歯間ブラシとフロスの違いって?
お口のニオイ対策には、歯間ブラシとフロスが有効です。歯磨きは毎日するけれど、歯間ブラシやフロスは使ったことがない。見たことやチャレンジしたことはあるけど使い方がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。まずは歯間ブラシとフロスの違いについて見てみましょう。
歯間ブラシとは?
歯間ブラシとは歯と歯の狭い隙間につまった歯垢(プラーク)を除去するために使う、小さなブラシのことです。
ドラッグストアやデンタルクリニックなどで購入することができます。食事後の食べ物のカスや歯に詰まったものは爪楊枝でとるという方もいると思いますが、歯間に詰まったプラークは爪楊枝ではとることができません。
また、歯ブラシだけのお手入れでは60%ほどのプラークしか落とせないこともわかっています。歯と歯の間や、歯と歯茎の間は、細い歯間ブラシでしっかりとケアをしてあげることが大切です。
デンタルフロスとは?糸ようじとは違うの?
デンタルフロスとはフィラメントと呼ばれる細い繊維を束ねて糸状にしたデンタルケア用のフロスのことです。歯ブラシでは歯の表面しか磨けず、また歯と歯の間の細い隙間は歯間ブラシも通すのが難しくなります。
そこでデンタルフロスを歯と歯の隙間に通すことで、プラークを掻き出し、繊維の隙間を使って絡めとることができるのです。
糸巻きタイプのデンタルフロスは、長さを30〜40cmほど引き出して切り取り、左右の中指にそれぞれ糸の両端を巻き付け、弓の弦のように張るようにします、指と指のあいだの糸が10〜15cm程度だと使いやすいです。
歯と歯の間に入れる時には、力を入れすぎて奥まで入りすぎると歯茎を痛めてしまうことに繋がります。人差し指で糸を押さえるようにして、糸の張り加減を調節しながら使うとよいでしょう。
糸ようじも、デンタルフロスの一種です。糸巻きタイプと違い、簡単に使えることがメリットですが、糸の左右が器具に固定されているため、細い歯間に入り込むととれにくくなり、歯に負担をかけてしまうこともあります。
抜き出しにくいときはゆっくりと左右に動かしてなるべく歯茎や歯に負担をかけないように抜いていきましょう。
●参考:株式会社ライオン
歯間ブラシとデンタルフロスは両方使うべき?ふたつの使い分けは?
歯ブラシは歯の表面、歯間ブラシは歯の根もと部分のプラークをとるのにむいています。一方デンタルフロスは、細い歯間ブラシを通せない歯の隙間や、歯と歯が接している隙間部分に通し、プラークを除去するのに役立ちます。
歯ブラシと、歯間ブラシ、デンタルフロスを併用することにより、プラークを90%以上も除去することが可能だといわれています。
自分のお口の中を確認しながら、状態に合った歯間ブラシやフロスを選び、どこにどれを使えばよりプラークがとれやすいか考えながら、使い分けると良いでしょう。
●参考:株式会社ライオン
[2]歯間ブラシのおすすめの選び方
歯間ブラシにはその材質や、形状、サイズによってさまざまな種類があります。それぞれの特徴をご紹介します。
歯間ブラシの材質は?
歯間ブラシの材質には、主にゴムとワイヤーという2つの素材があります。
・ゴム
主にシリコンなどのゴムでできている歯間ブラシは、初心者でも扱いやすく、柔らかいため歯や歯茎を痛めずらいというメリットがあります。
歯や歯茎が炎症して痛みのある人にも使いやすいタイプです。ただし、ワイヤー性のものよりも汚れを掻き出す力は少ないと言われています。
・ワイヤー
細いワイヤーに、歯ブラシのように無数の毛がついたタイプの歯間ブラシは、汚れをしっかりと掻き出すことができるのがメリットです。
一方、金属のため誤った使い方をすると歯茎を痛めてしまったり、歯を傷つけてしまうことにつながるため、初心者の人にはやや扱いずらいタイプになります。
歯間ブラシの形は2種類
歯間ブラシには主にI字型のものとL字型のものがあります。
・I字型
I字型のブラシは前歯など垂直にブラシを入れやすい場所に使いやすいブラシです。奥歯など垂直に入れにくい場所にはブラシをL字型など、使いやすい形に曲げて使用することができます。
・L字型
L字型のブラシは奥歯など手の届きにくい場所に使いやすいブラシです。このほかにも若干持ち手がカーブしているカーブタイプもあります。
使う場所に分けてブラシも選ぶと、よりプラークを掻き出しやすく、お口の中を清潔に保ちやすくなりますね。
歯間ブラシは自分に合った規格のサイズを選ぼう
歯間ブラシを選ぶ際に、一番重要と言ってもいいほど、サイズ選びは重要です。サイズの合わない歯間ブラシを使うと、歯茎を痛めることに繋がり、歯茎が下がったり歯を痛めたりする原因にもなり得ます。
歯間ブラシのサイズは4S、3S、SS 、S 、M、L、LLの7種類に分かれています。
4Sが一番細く、初心者の方や、歯茎の退縮がほとんど見られない方でも使用できます。Lはブリッジなど歯と歯のあいだが広い部位に使用できます。
まずは一番細いものから使ってみて、徐々に自分の歯に合うものを見つけていきましょう。
[3]正しく使って口臭ケア 歯間ブラシの使い方
歯間ブラシは、正しく使うことによって、口臭もケアできるようになります。正しい使い方をご紹介しながら、歯間ブラシを使っての疑問にお答えします。
歯間ブラシの正しい使い方
歯間ブラシは歯に沿うようにあてて、片側一方向だけでなく、方向を変えて使うようにしましょう。歯の表側からと裏側から、歯間の右の歯と左の歯のそれぞれにあたるよう四方向からブラシを入れるのが一番効果的と言われています。
きつめの歯間ブラシを使って一方向から磨くよりも、細めの歯間ブラシで、それぞれの方向から磨いたほうが効果は高くなります。
歯間ブラシは歯を磨いた後に仕上げケアとして使ってしまいがちですが、歯間ブラシを使うと、歯間ブラシについていたプラークや食べかすが歯にくっついてしまうことがあります。
せっかく磨いた歯にプラークがついてしまったら台無しですよね。ですから、歯間ブラシは歯を磨く前に行いましょう。
また、一日に何度もやるのは歯茎を痛めることに繋がるので、一日一回程度にとどめておきましょう。夜寝る前、歯を磨く前にゆっくりケアする時間をとるのがおすすめです。
参考:全国健康保険協会
歯間ブラシで奥歯をケアするコツ
歯間ブラシで特にケアをしにくいのが奥歯です。無理に押し込んでしまうと、歯茎を傷つけたり、無理をしてほおの内側の口腔内を痛めてしまったりすることにも繋がります。
歯間ブラシを奥歯に使うコツは、奥歯までブラシをいれたら、いったんほおの内側を外に軽く押してスペースを作ってから、歯茎に沿って斜めにブラシをあてて歯の間にいれ、横にうごかすことです。あまり口を開きすぎないほうがやりやすくなります。
歯間ブラシが痛いときは?
歯間ブラシを使って歯茎か痛くなる場合は、その部分が歯周病になっている可能性があります。また、歯間ブラシを間違った使い方をしていたり、大きすぎるものを使っていることで歯茎を傷つけてしまっている可能性もあります。
歯周病の場合には治療が必要ですし、歯間ブラシが合わず歯茎が傷ついている場合もあり得ますので素人判断をせずに、歯科医師に歯間ブラシを持って相談に行くと良いでしょう。
歯間ブラシを使って出血したら?
歯間ブラシを使用していて、すぐに出血する場合はやはり歯肉炎や歯周病の可能性があります。
歯茎はやわらかい組織ですが、健康な歯茎はブラシがあたる程度では出血しません。正しく歯間ブラシをつかっているのに、出血する場合は、やはり歯茎が炎症をおこしていると考えられます。
この出血は体から菌を追い出している免疫の正常な反応ですから、決して悪い血とはいえず、むしろ出してしまった方がいいです。
毎日歯間ブラシなどでしっかりケアを続けていくことで、徐々に歯茎が強くなり出血しないようになっていきます。
参考:杉澤デンタルクリニック行徳
毎日出血する場合は?
毎日歯間ブラシでケアをしていても出血が続く場合は、歯間ブラシのサイズが大きすぎて、周りの歯茎を傷つけてしまっているか、正しい方法で使用できておらず、ワイヤーでさしてしまっているなど、歯間ブラシが合っていない、正しく使えていない可能性が高いです。
また、歯周病がひどくなっている状態も考えられます。しっかりケアしているのに出血しないようにならない、変化がない場合には、歯科医師に相談しましょう。
参考:東京国際クリニック歯科
歯間ブラシがくさい理由は?
使い終わった後の歯間ブラシが臭くて、気になってしまう人も多いかもしれません。歯間ブラシでは、プラークを掻き出すため、歯垢がたっぷりとつきます。このプラークは口内細菌の塊のようなものです。
口内に残った糖分やタンパク質を餌に分解をしていくため、口の中でまるで発酵食品が作られているような状態になります。口の中で知らず知らずのうちに食べかすが腐っていっているのです。
それが歯間ブラシによって掻き出されることが原因で、歯間ブラシが臭くなっているのかもしれません。
また、もう一つ考えられるのが歯周病です。歯周:病になり、歯周ポケットができると歯周ポケットの中で口内細菌が増殖し、強烈な臭いのガスを発生させます。
また膿がたまりだすとこれもまた悪臭の原因になります。また、歯と歯のあいだの隙間に、虫歯ができてしまっている場合も、口腔細菌がたまりやすくなってくるので、歯間ブラシが臭くなる一因になり得ます。
ニオイが強く、特に食べカス以外の原因が考えられる場合は、歯科医師の診断を仰ぎましょう。
歯間ブラシは使い捨て?
歯間ブラシは量が多く入って売られていることが多いため、使い捨てにも思われがちですが、実は歯間ブラシは使い捨てではありません。
使い終わった後は歯ブラシと同じように流水で洗い流して、汚れを落とします。落ちにくい場合は指で軽くもみ洗いをしましょう。
綺麗になったら、清潔な場所でよく乾燥させます。使用していてワイヤー部分の植毛部分がくたってきたり、乱れてきたりします。
長期で使っているとワイヤーも劣化し、折れやすくなります。歯ブラシと同じように毛先がくたってきたら、新しいものに交換するようにしましょう。
もしワイヤーが歯と歯のあいだで折れてしまった場合は、慌てずに新しい歯間ブラシで優しく押し出してあげると折れたワイヤーを取り出すことができます。
[4]おすすめの歯間ブラシメーカー
G・U・M歯周プロケア 歯間ブラシL字型
歯周病ケアの対策ブランドとして有名なG・U・Mからも歯間ブラシが発売されています。G・U・M独自の三角毛が、歯磨きのブラッシングでは落としきれなかった歯間部の歯周プラークを効果的に除去してくれます。
ブラシ部のワイヤーに折れにくく曲がりにくい強化ワイヤーを使用しているところも安心ですね。
ライオン システマ歯間用ブラシ
口の中で動かしやすいコンパクトヘッドともちやすいロングハンドルが使いやすいシステマ歯間用ブラシ。サイズにより色分けされているので、複数サイズを使う時にもわかりやすくてよいですね。
ライオンのホームページにはわかりやすい歯間ブラシの使い方動画も掲載されているので、初めて使用する時はそちらを参考にすると良いでしょう。
また、システマには薬用歯間用ジェルという、歯間ブラシにつけて使用する専用のジェルも販売されています。薬用成分が、歯周病になりやすい歯の隙間に留まって歯周病予防に効果を発揮します。
小林製薬 やわらか歯間ブラシ
小林製薬の柔らか歯間ブラシは歯茎に負担の少ないゴムタイプで、やさしく歯周病・歯槽膿漏の原因となる食べカス・歯垢を除去してくれます。歯茎をゴムで気持ちよくマッサージしながら、狭い歯の隙間から広い歯の間までなめらかにフィットしてくれるので、歯垢がすっきりと気持ちよく落ちます。
[5]歯間ブラシとデンタルフロスで口臭ケアをして、毎日をもっと楽しもう
歯ブラシやマウスウォッシュだけでなく、細かな隙間にある無数のプラークを除去することで、気になる口臭やニオイケアができます。美しく健康な歯を手に入れて、自身をもって笑顔でいられるようになりましょう。